高校時代の交換日記から。
(Ted)
1952 年 1 月 27 日(日)曇り
●[引用時の注 1]
時を司る神よ。人間の意志を司る神(というものがあるとして)よ。われわれがそれを見て、ある時は感動し、ある時は美しい文につづり、またあるときは何も感じない森羅万象を創造する神よ。一つの方向を見ている時には、他の方角を顧みることを忘れるような、また、一心に見つめている一つの方向でさえ、十数センチも先になればもう見ることの出来ないような、そして三百六十度を覆う滑らかな円を描いたつもりでも、顕微鏡で見れば実にガタガタなものしか描けない、あわれな動物を嘲り給え。
(Sam)
「当たって砕けろ。」これが "Go for broke." の訳になるらしい。だぶだぶの服を着た背の低い二世が新任のこちこちの少尉に会って、どうしたのだと尋問され、"They made me the pants too long." と答えた時などが面白かった。始めのうち、ジャップというのを誰かの名前かと思っていたが、あにはからんや日本人二世の蔑称だと知ってゲッソリした。半記録映画としては大したことはない。しかし、人種的偏見に対する抗戦には、見るべきものがあった。[引用時の注 2]
父の十五年の報恩講をする。きょうからやっと起き上がれるようになった母も一緒に参った。一時間ばかり読経が続いた。足がしびれかかった。時どき祖母が「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ、ナムアミダブツ」を唱える。ぼくの頭の中には、午前中見に行った映画の戦傷した二世の兵士が、手首に数珠をかけて念仏を唱え、牧師に「私は仏教徒ですから…」といっていたところが、何度も出て来た。
[引用時の注]
コメント(最初の掲載サイトから若干編集して転載)
Nadja 01/27/2005 13:52
タイトルそのままの「Go for broke」、邦題は「二世部隊」1951年の映画ではないでしょうか。
Ted 01/27/2005 15:19
"Go for broke" が原題名でしたか。Samは邦題を書かなくても、原題名を書いていたのですね。いわれてみれば、「二世部隊」という題名は、なぜか覚えています。ありがとうございました。しかし、Nadja さんはどうして、そんな古い映画をご存知なのでしょう。
(Ted)
1952 年 1 月 27 日(日)曇り
●[引用時の注 1]
時を司る神よ。人間の意志を司る神(というものがあるとして)よ。われわれがそれを見て、ある時は感動し、ある時は美しい文につづり、またあるときは何も感じない森羅万象を創造する神よ。一つの方向を見ている時には、他の方角を顧みることを忘れるような、また、一心に見つめている一つの方向でさえ、十数センチも先になればもう見ることの出来ないような、そして三百六十度を覆う滑らかな円を描いたつもりでも、顕微鏡で見れば実にガタガタなものしか描けない、あわれな動物を嘲り給え。
(Sam)
「当たって砕けろ。」これが "Go for broke." の訳になるらしい。だぶだぶの服を着た背の低い二世が新任のこちこちの少尉に会って、どうしたのだと尋問され、"They made me the pants too long." と答えた時などが面白かった。始めのうち、ジャップというのを誰かの名前かと思っていたが、あにはからんや日本人二世の蔑称だと知ってゲッソリした。半記録映画としては大したことはない。しかし、人種的偏見に対する抗戦には、見るべきものがあった。[引用時の注 2]
父の十五年の報恩講をする。きょうからやっと起き上がれるようになった母も一緒に参った。一時間ばかり読経が続いた。足がしびれかかった。時どき祖母が「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ、ナムアミダブツ」を唱える。ぼくの頭の中には、午前中見に行った映画の戦傷した二世の兵士が、手首に数珠をかけて念仏を唱え、牧師に「私は仏教徒ですから…」といっていたところが、何度も出て来た。
[引用時の注]
- 黒丸は精神的に不安定な日だった記号。
- 私がしばしば、読んでいる本の題名を示さないで、それを暗示するような書き方をしたのを真似て、Sam がこの日に見た映画の題名を書いていないのが惜しまれる。題名を推定できた方があれば、教えて下さい。
コメント(最初の掲載サイトから若干編集して転載)
Nadja 01/27/2005 13:52
タイトルそのままの「Go for broke」、邦題は「二世部隊」1951年の映画ではないでしょうか。
Ted 01/27/2005 15:19
"Go for broke" が原題名でしたか。Samは邦題を書かなくても、原題名を書いていたのですね。いわれてみれば、「二世部隊」という題名は、なぜか覚えています。ありがとうございました。しかし、Nadja さんはどうして、そんな古い映画をご存知なのでしょう。
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