2005年5月30日月曜日

失敗以前に知っておくべきだったこと


 高校時代の交換日記から

 左のイメージは、昨日の引用分で終りとなった14冊目のノートの表紙。”It is six of one and half-a-dosen of the other.”(こちら六個で、あちら半ダース=大同小異)という諺をタイトルとしてある。

(Ted)

1952年8月20日(水)曇り

 “Before you give advice, that is to say, advice which you have not been asked to give, it is well to put to yourself two questions — namely, what is your motive for giving it, and what is it likely to be worth? If these questions were always asked, and honestly answered, there would be less advice then.” [1] — これは先日の失敗以前に知っておくべきだったことだ。忠告に関していわれているのだが、すべての新規の行動に対して敷衍されてもよいことばだと思う。

 “Not until the following autumn do the couple set about building their home.” の訳を「翌年の秋になって始めて~する」という肯定表現で書かなかったことが、一学期のアチーブメント・テストの-1点の原因かも知れない。
 家主の娘さん(高校1年)が英語の夏休みの宿題を見て欲しいといってきたが、「お国はどちらですか」を “Which is country?” などとしていたので、彼女の頭は電灯の発明される以前の夜のような状態ではないかと疑った。「何か白いものが見えます」を “Something white see.” とやっているにいたっては、肝をつぶしてしまった。[2]


 引用時の注

  1. 英語の学習書からの引用であろう。

  2. 「お国はどちらですか」の正解は “Where do you come from?” だろうが、 “Which is your country?” でも通じるだろうし、「何か白いものが見えます」の訳も、受動態にするだけで正解になるのだから、このとき私が与えた評価(娘さんに直接いったのではなく、日記に記したのみの評価だが)は厳しすぎたといえる。「肝をつぶしてしまった」という表現は、当時読んでいた徳富蘆花の『思出の記』の影響らしい。同書の五の巻(一)の初め近く(岩波文庫版、下巻の最初のページ)に「四ヶ月前宇和島から来て、初めて此処を覗いた時は肝を潰した」とあり、また、私のこの翌日の日記に、同書についての感想の一部が記載されている。

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