2005年3月12日土曜日

英単語集で野球ゲーム

高校時代の交換日記から。

(Sam)

1952 年 3 月 26 日(水)曇り

 北安江町まで Reader と Grammar & Composition を譲って貰うために出かける。映画を見に行ったとかで、おられなかったが、本は見つかったので、貰って来た。
 テンペラ画の展覧会を見に行く。佳作や銅賞の方にかえって「うまいなあ!」と思うのがあるのは、いつも同じことである。よい賞を得ているのは、どこが優れているのか、よく考えて見なければならない。
 ブラボー! バンザーイ! あらゆる感嘆詞を集めて来る必要がある。予期しない贈り物に心は躍り高鳴る。「命から何番」のベストテンに位置を占めることはいうまでもない。「マスコット」、「伴侶」。何とことばを与えてよいか分からないけれども、それは生涯、ぼくに愛され、なくてはならないものの一つになることは必須である。
[1]

(Ted)

1952 年 3 月 27 日(木)雨

 宇波 [2] へは行かないことになりそうだ。今度の教員異動で母の職場の S 校長が退職するらしいので、その発表のある 30 日に、母たちは学校へ出なければならないというから。
 松本亨先生の英語会話の時間の "Where am I?" は簡単な問題ばかりだ。きょうの答は、"You are in Kyoto City." だろう。
 Jack(KJ 君)の単語集を酷使して、Sam とぼくばかりが愉快がっていたようで、その所有者に気の毒だったが、もう少し工夫すれば、よい学習的野球ゲームになる。アスファルトを灰色に光らせている春雨の中を帰りながら、ぼくの単語集 [3] で T4a 以上をボールとすることにして、語意の下に書いてある反意語や派生語も利用すれば、さらに面白いゲームが出来るだろうと考えた。もっとスムーズにインニングを運ぶようにすることも必要だろう。
 UE 君が東大へ入ったそうだ。

 引用時の注
  1. 誰から何を貰ったのだろうか。具体的に書いてないのが残念である。
  2. 富山県の漁村。現在、氷見市に属する。父方の伯母の家があった。
  3. 旺文社発行の英単語集だったか。次に書いてある T4a は、単語の重要度を表す記号であろう。英単語集を利用した野球ゲームを考案し、この頃そのゲームをよく楽しんでいた。ゲームの進め方は、左あるいは右ページの何番目の単語ということをあらかじめ攻撃側に指定させ、守備側が単語集を任意に開き、攻撃側が指定の場所にある単語の意味を答えられるかどうかで、打球が安打になるかなどを模擬するというものである。英単語を多く知っている方が勝つ確率が高い。単語の重要度の数字も利用すれば、投手と打者の一球ごとの対決(ストライクかボールか、打つか見送るか)から模擬出来る、などと考えていたようだ。

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