2005年3月3日木曜日

不愉快は何によって作り出されるか

高校時代の交換日記から。

1952 年 3 月 13 日(木)晴れ

(Sam)

 Perfect と思っていたら、二時間後にそうでないことが発見されて、ゲッソリ。
 「じいちゃん」は物分かりがよい。きょうも自習にしてくれた。その代わり、明日以後の試験に好成績を収めたら、アメを持っていかなければならない。
 夕方、うちの四軒隣の家に火事があった。
 ME 君の家に十時十三分までいた。明日の商業の試験の練習だ。I.B.R.D.、I.B.S.、GATT、JETRO など、計十五の言葉の意味を調べておかなければならない。
 ラジオで「蛍の光」が流れている。これをラジオで聞いたことは、ここ久しくなかった。"If Japan wishes herself improve the eyes of ..." 明日はこの科目の試験もあることになっている。


(Ted)

 新体詩抄を島崎藤村が明治 33 年に編さんしたと、めちゃくちゃなことを書いた。[1]
 社会の 2 枚目の問題は、丸をつけただけで、理由を書かなければ点にならないと、T・Y 先生が回って来たときにいっておられたとか。ぜんぜん聞いていなかった。問題用紙に刷り込んでおくべきだ![2]
 トルストイが『復活』において人が人を裁くことに対して述べたと同じ考えを、人が人を試すことにおいて抱く。 [3]
 不愉快は何によって作り出されるか。自然が災害によってもたらす場合もありはするが、ひじょうに多くの場合、それは、自然の平常状態の下で、人間自身によって作り出されているではないか。これを皆無にすることは …。The wall of ideal is very hard.

 引用時の注
  1. 正しくは、外山正一・矢田部良吉・井上哲次郎が明治 15 年に編さん。
  2. さらに、文中の空白に 2 字ないし 4 字の漢字を入れる国語の問題についての不満が記されているが、長いので省く。
  3. 高校の先生方の中には、私の亡き父の、旧制金沢一中での元同僚が何人かおられたこともあり、私は試験でいつもよい成績を取らなければならないようなプレッシャーを感じていたようだ。そのため、多少不適切と思われる出題には反感を覚えたのである。

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