2005年3月12日土曜日

兼六園へ


 写真は兼六園の霞ヶ池と琴柱(ことじ)の灯籠(2003 年 7 月 16 日写す)。

高校時代の交換日記から。

(Sam)

1952 年 3 月 27 日(木)曇りのち雨

 午後の危ぶまれる天候だったが、子どもたちとの約束だったので、兼六園へ遠足ならぬ近足に行く。児童遊園地で彼らは種々の施設を利用しながら、ぼくが二枚のスケッチを終えるまで遊んでいた。長らくスケッチをしなかったけれども、どうにか満足出来るものが描けた。ぼくにだって画才はあるぞという、うぬぼれとも自信ともつかないものがわき起こってくる。自己満足! あまり感心したものではなさそうだが、先入的に劣等感を抱いて、試みようともしないのに比べれば、まだどこか取り柄があるかも知れない。
 霞ヶ池の小さな魚が餌を争っているのを見ながら多彩色な昼弁当を食べ終った頃から、ぽつりぽつりと雨が降り始めた。中央図書館に宿ったが、児童室は午後一時からだそうで、子どもたちは空しそうだった。雨は強くは降っていなかったから、われわれは唐傘山に登り、夕顔亭を眺め、Ted たちが過日通ったところの新開された道を通って、宮堀通りから帰途に着いた。その時分から雨はかなり激しくなってきて、家へ着いてみると、服を替えなければならないほどにぬれていた。
 (登場人物も内容も三月二日とほぼ似ているが、表現の仕方において違いが認められてもよいとは思わないかい。いずれもっと違ったものになるだろう。)

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