写真は赤穂の花岳寺。墓所には浅野、永井、森の歴代藩主や、大石内蔵助ら四十七士の墓がある(2005年4月21日写す)。正面の松は「大石名残の松」と呼ばれ、元禄14年(1701)赤穂を離れる大石内蔵助が移植したとされる[JR西日本「駅からはじまるハイキング MAP (9) 播州赤穂コース」による]。
高校時代の交換日記から
(Ted)
1952年5月26日(月)曇り
やろうとしないで、やってみないで、胸に重荷をしばりつけている。一切の義務を振り切って、一人深い山奥へ入り込み…、と想像する。――これがぼくなのか。じつに見下げられるべき、蔑まれるべき、打擲されるべき精神だ。いま、ぼくの当面しているのは昨年の「事件」のような、いわば内的な問題ではないのだ。やらなければならないだけのことを、もしも実行に移さなかったならば、外部の目がこぞって、ぼくを無能者と認めてしまうだろう。
――――――――――――――――(そうしている間中、このように線を引き続けたら、このノートの終りまで、Sam が読まないでめくらなければならないページを作っただろうと思われるほどの時間、考えた。)ユダヤ人はバビロンの幽囚となったが、ぼくは苦悩の幽囚になりかけている。1週間ばかり前の北国新聞夕刊に出ていた七尾の定時制高校生の、悪魔にささやかれながら記した日記が妙に気になる(ぼくの書くことと共通したところがあったからだ、などという物騒な理由があるのじゃないけれども)。
MY 先生の背を丸くして語られる講義は、紙芝居屋の語りにそっくりだ。「この三人の女神は、わたしこそ世界一の美人、でない、美しい神だ、いや、わたしだ、いやいや、わたしこそそうだ、ちゅうて、喧嘩した。いくらそういうとっても決まらんから、Ilion の王子 Paris に聞いてみることにした。そして、Paris にリンゴを渡して、一番美しいと思う神のところへそれを持って行かせることになったがや。すると、こんどは、女神たちは彼に、どうかわたしに下さい、と頼む。Hera は、もしもわたしにくれたら富と権勢とをあなたに上げましょう、という。Athena は…(略)…。はたして、Paris は、どの女神にリンゴを渡すでしょう。それは、この次ぃ。」
Random writings of a retired physicist
Continuation of "Ted's Coffeehouse" (now being restored in archives of this site)
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2005年4月27日水曜日
一人深い山奥へ入り込み…
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